内部統制とコーポレートガバナンスは、企業の健全な成長に不可欠な要素です。
本記事では、内部統制の目的、ガバナンスとの違い、それぞれの強化方法を詳しく解説します。内部統制を理解し、効果的に機能させることで、企業価値の向上と持続的な成長を目指しましょう。
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内部統制とは?その目的と基本要素
内部統制の定義と企業における役割
内部統制とは、企業がその活動目的を達成するために組織内に構築する仕組みのことです。具体的には、業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性、関連法規の遵守、そして資産の保全という4つの目的を達成するために設計され、実行されます。
企業における内部統制の役割は非常に重要であり、リスク管理体制の根幹をなします。不正や誤謬を未然に防ぎ、経営資源の適切な利用を促すことで、企業の持続的な成長を支える基盤となります。
内部統制が適切に機能することで、企業の透明性が向上し、投資家や債権者などのステークホルダーからの信頼を獲得することにもつながります。
また、内部統制は、変化する事業環境やリスクに対応するために、継続的に見直し、改善していく必要があります。内部統制の構築と運用は、経営者の責任であり、全従業員の協力が不可欠です。
内部統制に関する教育や研修を実施し、従業員の意識を高めることも重要です。内部統制は、企業の規模や業種、事業内容に応じて、適切に設計される必要があります。
内部統制の4つの目的
内部統制の目的は多岐にわたりますが、主に以下の4つに集約されます。
- 業務の有効性と効率性:企業の事業活動が効率的に行われ、経営目標の達成に貢献することを意味します。
- 財務報告の信頼性:財務諸表が適正に作成され、投資家や債権者などの利害関係者にとって有用な情報を提供することを指します。
- 法令遵守:企業活動が関連する法令や規制を遵守して行われることを保証します。
- 資産の保全:企業の資産が不正使用や損失から保護されることを意味します。
これらの目的を達成するために、企業は適切な内部統制システムを構築し、運用する必要があります。
内部統制システムは、組織全体に浸透し、継続的に監視され、改善されることが重要です。内部統制の目的を理解し、それを達成するための努力を怠らないことが、企業価値の向上につながります。
内部統制の6つの基本的要素
内部統制は、単一の対策ではなく、相互に関連する6つの基本的要素から構成される総合的なシステムです。これらの要素が有機的に機能することで、組織は目標達成に向けた活動を効果的にコントロールできます。
- 統制環境:組織の文化、価値観、倫理観など、内部統制の基盤となる要素です。
- リスク評価と対応:組織目標の達成を阻害するリスクを特定し、評価し、適切な対応を策定するプロセスです。
- 統制活動:リスクを軽減するための具体的な対策や手続きです。
- 情報と伝達:内部統制に関する情報を適切に収集、処理、伝達する仕組みです。
- モニタリング:内部統制の有効性を継続的に評価し、改善する活動です。
- ITへの対応:IT環境におけるリスクに対応するための統制です。
これらの要素は相互に関連し、組織全体で一貫して機能する必要があります。内部統制の構築においては、これらの要素をバランス良く整備し、継続的に改善していくことが重要です。
コーポレートガバナンスとの違い
コーポレートガバナンスの定義と目的
コーポレートガバナンスとは、企業が株主をはじめとするステークホルダーの利益を最大化するために、経営を監督し、コントロールする仕組みのことです。
具体的には、取締役会、監査役会、株主総会などの機関を通じて、経営者の行動を監視し、不正や不祥事を防ぎ、企業の透明性を高めることを目的とします。
コーポレートガバナンスの主な目的は、経営の効率性と透明性を向上させ、企業の長期的な成長と企業価値の向上を実現することです。
また、ステークホルダーの権利を保護し、企業の社会的責任を果たすことも重要な目的の一つです。近年、企業のグローバル化や複雑化が進む中で、コーポレートガバナンスの重要性はますます高まっています。
投資家は、企業のガバナンス体制を重視し、投資判断の重要な要素として考慮する傾向にあります。企業は、コーポレートガバナンスに関する情報を積極的に開示し、ステークホルダーとの対話を促進することで、信頼関係を構築し、企業価値を高めることができます。
内部統制とガバナンスの関係性
内部統制とコーポレートガバナンスは、企業経営における重要な要素であり、相互に密接な関係があります。内部統制は、コーポレートガバナンスを構成する要素の一つとして位置づけられ、ガバナンスの目的達成を支援する役割を果たします。
具体的には、内部統制は、業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性、法令遵守、資産の保全という4つの目的を達成することで、経営の透明性を高め、ステークホルダーからの信頼を得ることに貢献します。
一方、コーポレートガバナンスは、経営の監督、リスク管理、情報開示などの仕組みを通じて、内部統制の有効性を高めます。例えば、取締役会が経営者を適切に監督し、リスク管理体制を強化することで、内部統制がより効果的に機能するようになります。
内部統制とコーポレートガバナンスは、車の両輪のような関係にあり、両者がバランス良く機能することで、企業の持続的な成長と企業価値の向上を実現することができます。
ガバナンス強化が内部統制を促進する理由
強力なコーポレートガバナンス体制は、内部統制の有効性を高める上で不可欠です。その理由はいくつかあります。
まず、社外取締役や監査役といった独立性の高い機関が、経営者の行動を監視し、不正や不祥事を防止する役割を果たすことで、内部統制の機能が強化されます。
次に、適切な情報開示を通じて、企業の透明性が高まり、ステークホルダーからの信頼を得ることができます。
さらに、株主との対話を通じて、経営者は株主の意見を経営に反映させ、企業価値の向上に努めるようになります。
これらのガバナンス強化策は、内部統制の目的である業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性、法令遵守、資産の保全を促進し、企業全体の健全性を高めることにつながります。
したがって、企業は、コーポレートガバナンス体制を強化し、内部統制との連携を密にすることで、持続的な成長と企業価値の向上を目指すべきです。
内部統制を強化する方法
リスクアセスメントの実施
内部統制を強化する上で、最初に行うべきことは、リスクアセスメントです。リスクアセスメントとは、企業を取り巻く様々なリスクを洗い出し、その影響度と発生可能性を評価するプロセスです。
リスクアセスメントを実施することで、企業は、どのリスクに優先的に対応すべきかを判断し、適切な対策を講じることができます。リスクアセスメントの手順は、以下の通りです。
- リスクの特定:企業を取り巻くリスクを洗い出す。
- リスクの評価:各リスクの影響度と発生可能性を評価する。
- 対応策の策定:評価結果に基づき、リスクに対応するための対策を策定する。
- 対策の実施:策定した対策を実施する。
- 対策のモニタリング:対策の有効性を継続的にモニタリングする。
リスクアセスメントは、定期的に実施し、必要に応じて見直すことが重要です。
社内規程の整備と運用
リスクアセスメントの結果を踏まえ、リスクに対応するための社内規程を整備することが重要です。
社内規程は、業務の手順や責任範囲を明確にし、従業員が遵守すべきルールを定めるものです。社内規程を整備する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 規程の内容が明確かつ具体的であること。
- 規程が最新の法令や規制に適合していること。
- 規程が従業員に周知徹底されていること。
- 規程の遵守状況が定期的に確認されていること。
- 規程が定期的に見直され、改善されていること。
社内規程を整備するだけでなく、その運用状況を定期的に確認し、必要に応じて見直すことも重要です。
また、従業員に対する教育や研修を実施し、規程の遵守を徹底することも不可欠です。
ITシステムの活用
内部統制を強化するために、ITシステムを積極的に活用することも有効な手段です。
、ワークフローシステムを導入することで、業務プロセスの承認フローを可視化し、不正な処理を防止することができます。
また、勤怠管理システムを導入することで、従業員の労働時間を正確に把握し、不正な残業代の支払いを防ぐことができます。
近年では、クラウド型の会計・経理システムも普及しており、これらのシステムを活用することで、経理業務の効率化と統制の強化を同時に実現することができます。
ITシステムを導入する際には、以下の点に注意する必要があります。
- システムが自社の業務プロセスに適合していること。
- システムのセキュリティ対策が十分であること。
- システムの運用体制が整っていること。
- システムの導入効果を定期的に評価すること。
ITシステムを効果的に活用することで、内部統制の効率性と有効性を高めることができます。
内部統制報告制度(J-SOX)への対応
J-SOXとは?
J-SOXとは、金融商品取引法に基づいて導入された内部統制報告制度のことです。正式名称は「財務報告に係る内部統制の評価及び報告に関する法律」といいます。
J-SOXは、企業の財務報告の信頼性を確保するために、企業に内部統制の整備・運用状況を評価し、その結果を報告することを義務付けています。
J-SOXの目的は、企業の財務報告の信頼性を高め、投資家保護を図ることです。J-SOXは、すべての企業に適用されるわけではなく、上場企業や一定規模以上の非上場企業に適用されます。
J-SOXに対応するためには、企業は、内部統制の整備・運用状況を評価し、その結果を内部統制報告書として作成し、監査法人の監査を受ける必要があります。
J-SOXは、企業の内部統制体制を強化し、財務報告の信頼性を高める上で重要な役割を果たしています。
J-SOX対応のポイント
J-SOXに対応するためには、以下の3つの文書を作成し、内部統制の評価を行う必要があります。
- 業務記述書:業務の流れを記述した文書。
- フローチャート:業務の流れを図示したもの。
- リスクコントロールマトリックス(RCM):リスクとコントロールの関係を一覧表にしたもの。
これらの文書を作成し、内部統制の整備・運用状況を評価する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 評価範囲を明確にすること。
- 評価基準を明確にすること。
- 評価手続きを適切に実施すること。
- 評価結果を適切に記録すること。
J-SOX対応は、経営者、取締役会、監査役などがそれぞれの役割を果たし、継続的な改善を図ることが重要です。
また、J-SOX対応は、単なる義務ではなく、企業価値の向上につながる取り組みであることを認識し、積極的に取り組むことが大切です。
専門家の活用
内部統制の構築・運用には、専門的な知識や経験が求められるため、必要に応じて専門家の支援を受けることも有効です。
専門家は、リスクアセスメント、規程整備、内部監査などの面でサポートを提供し、企業の内部統制体制の強化に貢献します。専門家を活用する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 専門家の選定:専門家の実績や専門性を確認する。
- 委託範囲の明確化:委託する業務範囲を明確にする。
- 連携体制の構築:専門家との連携体制を構築する。
- 成果の評価:専門家の成果を定期的に評価する。
専門家を効果的に活用することで、内部統制の構築・運用を効率的に進め、企業のリスク管理体制を強化することができます。
専門家は、国際的な内部統制の知識も有しているため、グローバルなビジネス展開をしている企業にとっても有益なパートナーとなります。
企業の持続的成長と価値向上には、リスク管理を担う内部統制と経営の透明性を高めるガバナンスの連携が不可欠です。
アメリスでは、全国数十万戸を管理する不動産賃貸管理業者では、バラバラだったルールを統一した「業務要領書」を整備した結果、本社への問い合わせ工数を大幅に軽減し、統制活動を強化できました。
また、税務署の指摘を受けた企業では、基幹システム刷新と業務統一により、経営指標の報告日を短期化し効率性を劇的に改善しました。
内部統制は「義務」ではなく、成長を加速させるための「投資」だと考えております。まずは足元の業務プロセスを明確にし、業務基盤を整備することで企業価値向上に貢献する強靭な仕組み構築しましょう。
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