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IT統制の重要性とは?内部統制における役割・種類・部門を徹底解説

IT統制の重要性とは?内部統制における役割・種類・部門を徹底解説

内部統制におけるIT統制は、企業が健全な運営を行う上で不可欠です。本記事では、IT統制の重要性、種類、そしてそれを担う部門について詳しく解説します。IT統制を理解し、効果的な内部統制体制を構築しましょう。

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内部統制におけるIT統制とは

内部統制の定義とIT統制の位置づけ

内部統制は、企業の業務の適正性を確保するための仕組みです。IT統制は、この内部統制をITの側面から支えるものであり、リスク管理や法令遵守において重要な役割を果たします。具体的には、財務報告の信頼性、業務の効率性、法令遵守を達成するために、組織内のルールやプロセスを整備し、運用することを指します。内部統制は、経営者が責任を持って構築し、維持することが求められており、その有効性は定期的に評価される必要があります。IT統制は、内部統制の構成要素の一部として、情報システムに関するリスクを管理し、組織全体の目標達成に貢献します。IT技術の進化とともに、IT統制の重要性はますます高まっています。企業は、IT統制を適切に実施することで、情報セキュリティを強化し、不正行為を防止し、業務効率を向上させることができます。内部統制とIT統制は、相互に連携し、企業の持続的な成長を支える基盤となります。

IT統制の目的

IT統制の主な目的は、情報システムの安全性と信頼性を確保し、企業の業務効率化やリスク軽減に貢献することです。情報資産の保護、法令遵守、財務報告の信頼性確保、業務の有効性および効率性の向上など、多岐にわたる目標を達成するために実施されます。情報システムの安全性確保は、サイバー攻撃や不正アクセスから情報を守り、事業継続性を確保する上で不可欠です。法令遵守は、個人情報保護法や金融商品取引法などの関連法規を遵守し、企業の社会的責任を果たすために重要です。財務報告の信頼性確保は、会計データの正確性、完全性、適時性を保証し、投資家や債権者からの信頼を得るために必要です。業務の有効性および効率性の向上は、ITシステムを活用して業務プロセスを最適化し、生産性を高めるために重要となります。これらの目的を達成するために、IT統制は様々な活動を通じて、情報システムの適切な管理と運用を支援します。

IT統制の重要性が高まる背景

近年、企業におけるIT依存度が高まるにつれて、IT統制の重要性も増しています。 サイバー攻撃の巧妙化や法規制の強化も、その背景にあります。企業の活動がITシステムに大きく依存するようになり、システム障害や情報漏洩が発生した場合、事業継続に深刻な影響を及ぼす可能性があります。サイバー攻撃は、その手口が高度化・巧妙化しており、従来のセキュリティ対策では対応しきれないケースも増えています。個人情報保護法やGDPRなどの法規制も強化されており、IT統制を通じて適切な情報管理体制を構築することが不可欠です。クラウドサービスの普及やリモートワークの増加も、IT統制の重要性を高める要因となっています。企業は、これらの変化に対応するために、IT統制を強化し、情報セキュリティ対策を徹底する必要があります。IT統制は、単なるコストではなく、企業価値を守り、成長を促進するための投資として捉えるべきです。

IT統制の種類と構成要素

IT全社的統制

IT全社的統制は、組織全体のIT戦略やポリシーに関する統制です。企業のITガバナンスを確立し、IT投資の最適化を図ります。具体的には、IT戦略の策定、IT投資の計画と評価、ITリスク管理、IT組織体制の構築、ITポリシーの策定と周知などが含まれます。IT戦略は、企業の経営戦略と整合性が取れている必要があり、IT投資は、費用対効果を考慮して計画的に行う必要があります。ITリスク管理は、情報セキュリティリスク、システム障害リスク、プロジェクトリスクなど、様々なリスクを特定し、評価し、対応策を講じる必要があります。IT組織体制は、責任と権限を明確にし、適切な人材を配置することが重要です。ITポリシーは、情報セキュリティポリシー、システム利用ポリシー、データ管理ポリシーなど、ITに関するルールを定め、従業員に周知する必要があります。IT全社的統制は、ITガバナンスを強化し、IT投資の効率性を高め、ITリスクを軽減するために不可欠です。経営層は、IT全社的統制の重要性を認識し、積極的に関与する必要があります。

IT全般統制(ITGC)

IT全般統制(ITGC)は、情報システムの開発、運用、保守に関する統制です。 システムへのアクセス管理や変更管理などが含まれます。具体的には、プログラム変更管理、アクセス管理、システム運用管理、インフラストラクチャ管理、セキュリティ管理などが含まれます。プログラム変更管理は、システムに対する変更が承認され、適切にテストされ、記録されることを保証します。アクセス管理は、システムへのアクセス権限を適切に管理し、不正アクセスを防止します。システム運用管理は、システムの安定稼働を維持し、障害発生時の復旧手順を確立します。インフラストラクチャ管理は、サーバー、ネットワーク、データベースなどのインフラストラクチャを適切に管理します。セキュリティ管理は、情報セキュリティポリシーを遵守し、セキュリティ対策を実施します。IT全般統制は、情報システムの信頼性を確保し、データIntegrityを維持するために不可欠です。不備があると、システム障害や情報漏洩のリスクが高まります。

IT業務処理統制(ITAC)

IT業務処理統制(ITAC)は、個々の業務プロセスにおけるIT利用に関する統制です。 データの正確性や完全性を確保し、業務の効率化を図ります。具体的には、入力データの検証、処理の正確性検証、出力データの検証、エラー処理などが含まれます。入力データの検証は、入力されたデータが正しい形式で入力されているか、妥当な範囲の値であるかなどをチェックします。処理の正確性検証は、システムがデータを正しく処理しているかを確認します。 出力データの検証は、出力されたデータが正確で完全であるかを確認します。エラー処理は、エラーが発生した場合に、適切な対応を行う手順を定めます。 IT業務処理統制は、業務プロセスの信頼性を高め、不正や誤謬を防止するために重要です。適切に実施することで、業務効率を向上させ、財務報告の信頼性を高めることができます。例えば、会計システムにおける仕訳データの入力チェックや、在庫管理システムにおける入出庫データの照合などが該当します。

IT統制を担う部門とその役割

情報システム部門の役割

情報システム部門は、ITシステムの企画、開発、運用を担い、IT統制の実施において中心的な役割を果たします。具体的には、IT戦略の策定支援、システム開発、システム運用、セキュリティ対策、ITインフラの管理などを担当します。IT戦略の策定支援では、経営戦略に基づいたIT戦略を立案し、IT投資計画を策定します。システム開発では、要件定義、設計、プログラミング、テスト、導入などのシステム開発ライフサイクル全体を管理します。システム運用では、システムの安定稼働を維持し、障害発生時の復旧作業を行います。セキュリティ対策では、情報セキュリティポリシーを策定し、セキュリティ対策を実施します。ITインフラの管理では、サーバー、ネットワーク、データベースなどのITインフラを管理します。情報システム部門は、IT統制の実施責任者として、他の部門と連携し、IT統制の有効性を確保する必要があります。また、ITに関する専門知識を持つ人材を育成し、IT統制に関する教育を実施することも重要です。

内部監査部門の役割

内部監査部門は、IT統制の有効性を評価し、改善を促す役割を担います。 独立した立場から、IT統制の状況を客観的に評価します。具体的には、IT統制の設計評価、運用評価、フォローアップを行います。

設計評価では、IT統制が適切に設計されているかを評価します。運用評価では、IT統制が実際に運用されているかを評価します。 フォローアップでは、監査で指摘された問題点が改善されているかを確認します。

内部監査部門は、IT統制に関する専門知識を持つ監査人を配置し、リスクベースのアプローチで監査計画を策定する必要があります。また、監査結果を経営層に報告し、改善を促す必要があります。 内部監査は、IT統制の有効性を継続的に向上させるための重要なプロセスです。客観的な視点からIT統制の状況を評価することで、リスクを早期に発見し、適切な対策を講じることができます。

経営層の役割

経営層は、IT統制の重要性を認識し、必要な資源を確保する責任があります。 また、IT統制の実施状況を定期的に確認し、必要に応じて指示を出すことが求められます。具体的には、IT統制に関する方針を決定し、IT統制の実施に必要な予算を確保し、IT統制の実施状況を定期的に報告させ、必要に応じて改善指示を出すことが挙げられます。

経営層は、IT統制が企業の経営目標達成に不可欠であることを理解し、積極的に関与する必要があります。また、IT統制に関する責任者を任命し、IT統制の実施を監督させる必要があります。 経営層のリーダーシップは、IT統制の成功に不可欠です。経営層がIT統制の重要性を認識し、積極的に関与することで、組織全体にIT統制の文化を醸成することができます。それによって、ITリスクを軽減し、企業価値を向上させることができます。

IT統制の構築と評価のポイント

リスクアセスメントの実施

IT統制の構築にあたっては、まずリスクアセスメントを実施し、企業が直面するITリスクを特定する必要があります。リスクアセスメントとは、企業が抱えるリスクを特定し、そのリスクが顕在化する可能性と影響度を評価するプロセスです。ITリスクアセスメントでは、情報セキュリティリスク、システム障害リスク、プロジェクトリスクなど、様々なITリスクを特定し、評価します。リスクアセスメントの結果に基づいて、優先的に対応すべきリスクを決定し、リスク対応計画を策定します。リスク対応計画には、リスクを軽減するための具体的な対策、責任者、実施期限などを記載します。リスクアセスメントは、定期的に実施し、環境変化に合わせて見直す必要があります。例えば、新しいシステムを導入した場合や、サイバー攻撃の手口が変化した場合などには、リスクアセスメントを再度実施する必要があります。リスクアセスメントは、IT統制の出発点であり、効果的なIT統制を構築するために不可欠です。

統制活動の設計と実装

リスクアセスメントの結果に基づいて、適切な統制活動を設計し、実装します。 統制活動は、予防的統制と発見的統制の組み合わせが重要です。予防的統制は、リスクが発生する前にリスクを防止するための活動です。例えば、アクセス制御、変更管理、暗号化などが該当します。発見的統制は、リスクが発生した場合に、そのリスクを早期に発見するための活動です。例えば、ログ監視、侵入検知、脆弱性診断などが該当します。統制活動は、リスクの種類、影響度、コストなどを考慮して、適切に設計する必要があります。また、統制活動が実際に運用されていることを確認するために、定期的なモニタリングを実施する必要があります。統制活動の設計と実装は、IT統制の有効性を確保するために不可欠です。不適切な統制活動は、リスクを十分に軽減することができず、企業に損害を与える可能性があります。例えば、重要なデータに対するアクセス制御が不十分な場合、情報漏洩のリスクが高まります。

継続的な評価と改善

IT統制は、一度構築したら終わりではありません。継続的に評価し、必要に応じて改善していくことが重要です。IT環境は常に変化しており、新しいリスクが常に発生しています。 そのため、IT統制も定期的に見直し、変化に対応していく必要があります。IT統制の評価は、内部監査、外部監査、自己評価など、様々な方法で行うことができます。 評価結果に基づいて、IT統制の改善計画を策定し、改善活動を実施します。改善活動には、統制活動の追加、変更、削除などが含まれます。 IT統制の継続的な評価と改善は、IT統制の有効性を維持し、企業価値を向上させるために不可欠です。継続的な改善を通じて、ITリスクを最小限に抑え、業務効率を最大化することができます。また、法規制や業界標準の変化にも対応し、コンプライアンスを維持することができます。

<コンサルタントからの一言> 業務プロセスを可視化し、組織を強くする内部統制へ!

企業が健全に成長するには、適切な内部統制IT統制が不可欠です。しかし、形だけの内部統制資料では、現場のオペレーションと乖離し、リスク軽減や業務効率化につながらないのが実情です。

アメリス株式会社では、お客様に伴走し、現場の業務プロセスを可視化し、あるべき姿の再構築等を行った上で「業務要領書(業務フロー図と業務記述)」を作成し、最終的に社内の正式文書という位置づける支援を行っております。
これによりルールやマニュアルが社内の正式文書という形で統一され、属人化の解消や業務の標準化や内部統制強化、J-SOX監査に対応した事例もございます。

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